【7月19日 CNS】中国・河南省(Henan)新密市(Xinmi)超化村(Chaohua)の古い街並みの中にある「孫家鍛冶屋」。兄弟で店を経営しは、16歳の時に父親に付いて鍛冶の勉強を始めた兄の孫殿臣さん(82)と、子どもの頃に患った小児まひのために今でも手に障害が残るが、ひとたび鉄を打ち始めると別人のように生き生きと仕事をする弟の孫喜臣さん(68)の二人だ。

 以前はくわなどの農具を主に製造していたが、現在は料理包丁を専門に作っている。機械化による生産が進む中、職人の手作業による料理包丁を見る機会は少なくなった。

 二人が包丁を1本完成させるまでに30回以上の火を通し、鉄を幾度となくたたき、研磨し、刃先を整えるなどいくつもの工程を経るまでに、2日半の時間を要する。

 値段は1本260元(約4300円)。近隣の村民はみな孫兄弟の店で包丁を買うそうで、包丁の名声は離れた場所にも伝わっているという。

「孫家鍛冶屋」は、殿臣さん、喜臣さん兄弟の代ですでに5代目になるが、これだけ有名な包丁であるにも関わらず、二人の子どもたちはこの技術を学びたいとは思っていない。孫さんたちは、技術の継承が途絶えてしまうことを気にかけているようだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News