【7月18日 AFP】米フロリダ州マイアミで15日に行われた水着のファッションショーで、モデルの1人が授乳しながらキャットウオークを歩いた。米国では、人目に付く場所で授乳することに抵抗を感じる女性が依然多く、大胆な行為として話題になっている。

 米誌スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)の水着ファッションショーに、きらめくゴールドのビキニで登場したモデルのマラ・マーティン(Mara Martin)さんは、緑色の水着を着て雑音をカットするヘッドホンをつけた5か月の娘を胸に抱き、授乳しながらランウェイに立った。

 ソーシャルメディア上には「不適切」や「下品」といった批判の声もわずかながら上がったものの、マーティンさんは翌日インスタグラム(Instagram)に、肯定的な反応が圧倒的に多かったとして感謝の意を表明した。

「朝起きてみたら、私と娘がヘッドラインを飾っているなんて信じられない、私が毎日していることをしただけなのに」「控えめに言っても、とてもつつましやかな気持ちにさせてくれる非現実的な体験」とマーティンさんはつづった。「このメッセージを共有できて本当にありがたく思う。どうか授乳が当たり前のことになり、女性たちは何だってできるのだということを皆に示せますように!」

 17日、NBCの番組「トゥデー(Today)」のインタビューに応じたマーティンさんと主催団体によると、ランウェイでの授乳はその場で自然に決まったことだという。 マーティンさんは「ショーが徐々に押してきていたので娘は少しおなかが空き始めていて、夜の授乳時間でもあった」と説明。チームの一人からランウェイで授乳したらと提案を受け、了承したという。

 米国ではほぼ全州で公共の場で授乳する母親に法的な保護が与えられている反面、社会の大部分は今でも授乳姿に眉をひそめる。飲食店や店舗、公共交通機関で授乳する女性に胸元を隠すよう求められた事例が報道されることもあり、公共の場での授乳がより広く認められるよう要求する「ナースイン」と呼ばれる抗議活動も行われている。(c)AFP