【7月17日 時事通信社】南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)撤廃に尽力し、同国初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏が生まれてから18日で100年。民主主義と反差別を訴え続けた功績を振り返り、未来につなげる機会にしようと、各地で「生誕100年」イベントが企画されている。

 マンデラ氏は1918年7月18日、東部トランスカイで誕生。若くして反アパルトヘイト闘争に身を投じ、64年に反逆罪で終身刑を受けた。27年間の獄中生活を経て、94年大統領就任。2013年に95歳で死去した。

 ネルソン・マンデラ財団によると、「100年」前日の17日にはヨハネスブルクで記念集会が開かれ、マンデラ氏を「英雄」と呼ぶオバマ前米大統領が講演。また「マンデラ氏の生涯と功績を思い起こす機会」として、コンサートや人種を越えた若者のスポーツ交流会が催される。英国など国外でも展示会や講演会が目白押しだ。

 反差別の象徴をたたえる動きが広がる一方、南アには今もアパルトヘイトの「負の遺産」が色濃く残る。全人口の8割を占める黒人の失業率は白人の4倍以上。人種間の所得格差も深刻で、困窮した若者が犯罪に走る例が相次ぐ。旧黒人居住区ソウェト出身のタクシー運転手セバスチャンさんは、「白人と同じ仕事をしても給料は3分の1。アパルトヘイトは終わったが、黒人(の権利)は尊重されていない」と不満を語っている。

 マンデラ財団責任者のセロ・ハタン氏は「人種融和の実現は現在も続く闘争だ。人種差別は公的には禁じられたが、仲間同士やネット上では依然横行している。一夜で解決できる問題でなく、(それぞれが)考え方や心のありようを見直すことが重要だ」強調した。(c)時事通信社