【7月17日 AFP】マザー・テレサ(Mother Teresa)が創設した修道会所属の修道女らが養子を売買した容疑で逮捕されたことを受け、インド当局は16日、この修道会が運営する全ての児童養護施設に対して直ちに検査を行うよう命じた。

 同国政府によれば、違法な養子縁組が国内で一大ビジネスとなっており、毎年10万人超の子どもたちの行方が分からなくなっているという。その多くは貧困にあえぐ親たちが手放した一方で、病院や駅でさらわれた子どももいる。

 今月に入って警察当局は、同国東部ジャルカンド(Jharkhand)州の州都ランチー(Ranchi)にある「神の愛の宣教者会(Missionaries of Charity)」の施設の一つで、少なくとも幼児5人を数千ドルで売ったとして修道女と職員の計2人を逮捕した。

 今回の事件は地元の児童福祉局が、未婚の妊婦や困窮する母親を世話する同修道会の施設で新生児1人が行方不明になったと警察に通報したことで発覚。

 16日午後に発表された声明でマネカ・ガンジー(Maneka Gandhi)女性・児童育成相は、全ての州政府に「神の愛の宣教者会が運営する全国の児童養護施設に対する即時の検査」が命じられたと発表した。

 同修道会は不祥事発覚後、今回の事件を慎重に調査し、再発防止に努める姿勢を示した。

 神の愛の宣教者会はマザー・テレサが1946年に創設。世界的な慈悲の象徴となったマザー・テレサは1997年の死後、「聖人」に認定された。(c)AFP