【7月17日 AFP】スペインの前国王フアン・カルロス1世(Juan Carlos I、80)がマネーロンダリング(資金洗浄)に関与していたと元愛人が証言している録音データが公開され、急進左派政党ポデモス(Podemos)などから捜査を求める声が上がっている。

 問題の録音データは先週、同国の2つのウェブサイトで公開された。声の主の女性は、ドイツ上流階級出身でモナコ・モンテカルロ(Monte Carlo)在住のコリーナ・ツー・ザインビトゲンシュタイン(Corinna zu Sayn-Wittgenstein)さんとされる。

 女性は録音の中で、前国王がモロッコに所有する不動産の存在を隠すため、自身の名義が利用されたと語っている。また、前国王がいとこの名義でスイスに複数の銀行口座を開設し、高速鉄道に関するサウジアラビアとの契約から金を着服していたとも主張している。

 AFPの取材に応じた複数の王室専門家たちは、録音された声は確かにザインビトゲンシュタインさんのものだと指摘。一方、ザインビトゲンシュタインさん自身は声が自分のものであることを否定はしていないが、組織的な中傷であると非難する声明を出した。

 フアン・カルロス1世は、スペインが不況の真っただ中にあった時期にザインビトゲンシュタインさんとボツワナにゾウ狩りに出掛けたことが発覚して非難を受け、その2年後の2014年に退位した。(c)AFP/Álvaro VILLALOBOS