【7月16日 AFP】(更新)テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)は15日、男子シングルス決勝が行われ、大会第12シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が6-2、6-2、7-6(7-3)で第8シードのケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)を下し、2015年以来4度目の優勝を飾った。

 2011年、2014年、2015年に続くトロフィーを獲得した世界ランク21位のジョコビッチは、これで四大大会(グランドスラム)の通算タイトル数を13に伸ばし、準決勝で勝利したラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の記録まであと4勝に迫っている。

 生涯グランドスラムを達成した2016年の全仏オープンテニス(French Open 2016)以来となるメジャータイトルを手にしたジョコビッチは試合後、「息子が『お父さん、お父さん』と言っているのを聞けたのは今回が初めてだから、より特別なものになった」とプレーヤーズボックスに姿を見せた息子のステファン(Stefan)くんについて言及した。

 また、2001年大会のゴラン・イワニセビッチ(Goran Ivanisevic)氏に次ぐ低いランキングでウィンブルドンを制したジョコビッチは、「ケビンを祝福したい。素晴らしい大会を送ったと思う。彼はコートで何時間も戦ってきた」とすると、「彼にとって初めてのウィンブルドン決勝で、最初の2セットこそベストのプレーとはいかなかったが、最後のセットではしっかりと改善してきたし、勝ち切れたのはラッキーだった」と付け加えた。

 さらに、前回大会は準々決勝を肘の故障で途中棄権すると、その後は手術を余儀なくされて残りのシーズンを棒に振るなど、去年の今頃はキャリアの危機にひんしていたジョコビッチは、「いまとなっては話すのは簡単だが、とにかく自分の経過を信じないといけなかった。自分を信頼しないとならなかった」と付け加えた。

「手術もあったし、あれほど厳しいけがは初めてだった。疑いの時間が長かった。このレベルに自分が戻ってこられるかは分からなかった」

 対するアンダーソンは、南アフリカ勢として97年ぶりのウィンブルドン決勝に勝ち上がり、この日は同国史上初の優勝を目指していた。しかし、第3セットでは5度のセットポイントがあったが、決勝までに21時間もコートに立つなど、これまでのマラソンマッチの影響が最悪のタイミングで出てしまった。

 準々決勝ではロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を相手にマッチポイントをしのいでフルセット勝ちを収め、続くジョン・イズナー(John Isner、米国)との準決勝ではグランドスラム史上2番目に長い6時間36分の死闘を戦ったアンダーソンは、「自分のベストを尽くした。第4セットは取れそうだったが、ノバクは私たちのスポーツにおける真のチャンピオンだ」と話した。

「週の最初ほどフレッシュな状態でなかったのは間違いない。でも、これは最高の大会であり、出場する選手たちは持っている全てをコート上で出し尽くす。優勝できるのは、ほんの一握りだけ。このチャンスをつかむためなら、もう21時間プレーしてもよかった」 (c)AFP/Dave JAMES