【7月15日 AFP】タイ北部チェンライ(Chiang Rai)県の洞窟に閉じ込められ、その後救出されたサッカーチームの少年12人とコーチが、救助活動中に亡くなった元タイ海軍特殊部隊員を追悼した。同国の保健省が15日、明らかにした。

 タイ語で「イノシシ」という名のサッカーチームの少年らは先月23日、タムルアン(Tham Luang)洞窟内に入ったところ、豪雨による浸水で閉じ込められた。だが、外国人エリートダイバーらとタイ海軍特殊部隊が救出活動を展開。発生から18日を経た今月10日、最後まで取り残されていた5人が無事に救助され、救出劇に幕が下りた。医師らによると、健康状態は皆良好だという。

 その一方で救出活動は、元タイ海軍特殊部隊員のボランティア、サマン・クナン(Saman Kunan)さんが亡くなるという悲劇にも見舞われた。サマンさんは6日、複雑な構造を持つ洞窟内に酸素タンクを設置する作業中、酸素ボンベの酸素残量が足りなくなり死亡した。

 世界は英雄としてサマンさんの死を悼んだ一方で、11歳から16歳までの少年たちがサマンさんの死を知らされたのは、知らせを聞いても少年らが精神面で対処できるまでに回復したと医療チームが判断した14日のことだった。

 タイ保健省関係者によると、「皆泣き出してしまい、サマン少佐の似顔絵にメッセージを記して弔意を表し、少佐のために1分間黙とう」し、「少佐に感謝し、善人になると誓った」という。(c)AFP