【7月15日 AFP】18MLSは14日、各地で試合が行われ、D.C.ユナイテッド(D.C. United)に加入したウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が、デビュー戦となったバンクーバー・ホワイトキャップス(Vancouver Whitecaps)戦で途中出場から1アシストを記録した。イングランド代表で歴代最多得点者のルーニーは、初陣を3-1の白星で飾ったことを喜んだ。

 昨シーズンは生まれ故郷のクラブであるイングランド・プレミアリーグのエバートン(Everton)でプレーしたルーニーは、10日に年俸総額1300万ドル(約14億円)の3年半契約をD.C.ユナイテッドと結んだ。そして、新スタジアムのこけら落としの一戦で主役級の扱いを受けた32歳は、後半途中の投入からポール・アリオラ(Paul Arriola)の2ゴールに絡んだ。

 ルーニーは「素晴らしい。最高の勝利だ。このチームなら良いサッカーができると思っていた。新スタジアムがオープンするクラブにとっては大きな夜だったし、勝利することが重要だった」と話した。

 ベン・オルセン(Ben Olsen)監督も「後半、特にウェインが入ってからは非常に攻撃の鋭さが増した。体が強く、質が高く、素晴らしいパスを何本か出して、いくつか結果も残した。良いボールをペナルティーエリアに送り込んでいた。期待していた通りのプレーだったよ」と話した。

 5億ドル(約560億円)をかけて建設した収容人数2万人のアウディ・フィールド(Audi Field)は、ルーニーを中央に据え、「ここが自分たちの家」と書かれた横断幕が掲示されていることもあって、早くも「ウェインズワールド」というあだ名が付いた。背番号9のユニホームを着たファンも多く、ルーニーがウオーミングアップで登場した際には大きな歓声が上がった。

 後半開始から10分が経つ頃には「ルーニーが見たい」というチャントが始まり、それから間もない後半13分に交代でピッチに入ったルーニーは、満員の観客からスタンディングオベーションで迎えられた。

 すると1-0でリードしていたチームは後半24分、ルーニーを起点にした鮮やかなパス交換から、最後はアリオラが追加点を決めた。さらに、同34分のルーニーの強烈なヘディングシュートは相手GKのパンチングに阻まれたが、それでもその直後、再びルーニーのパスからアリオラがファーサイドの隅へ見事なミドルシュートを決めた。

 コンディションを考慮してまだ出場時間を制限されているというルーニーだが、本人は「みんなピッチに立つ僕を見たがっていたと思うけど、僕も同じくらい早く出たくて仕方がなかった。ファンは最高だったよ。これからも彼らに勝利を届けたい」とコメントした。さらにルーニーは、「体力のある若い選手とプレーするのはすごく気持ちいい。僕の経験を彼らに伝えたいし、最後の30分はそれができたと思う」とも話している。

 MLSで四つのタイトルを獲得しているものの、2004年以降はタイトルから遠ざかっているD.C.ユナイテッドは、これでシーズン3勝目を挙げている。(c)AFP