【7月15日 AFP】国営シリア・アラブ通信(SANA)は、同国南部ダルアー(Daraa)県ダルアー市の反体制派が14日、ロシアの仲介で結ばれた合意に従い、シリア政府軍に重火器を引き渡したと報じた。

 同通信によると、反体制派が支配する市の南側約半分のうち、ダルアー・アル・バラド(Daraa al-Balad)地区の戦闘員らが重火器などの装備を引き渡した。

 AFP特派員によれば、政府軍と反体制派は13日、数年にわたり市内を分断していた障害物の撤去作業を始めていた。

 ダルアー市は過去7年におよぶシリア内戦の発端となった場所だが、11日に結ばれた合意により政府の支配下に戻ることになる。国営メディアは合意について、反体制派が重・中火器を引き渡すことや、法律に従って政府と「和解する」ことを規定していると報道。こうした内容を拒否する者には、安全に市外に退去することが認められているという。

 シリア国内のネットワークを情報源とする在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ダルアー県で政府軍が掌握する地域は全体の80パーセントを超えた。

 県西部の一部地域は今も反体制派の支配下にあるほか、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の勢力が支配する南西部の一画は今回の合意に含まれていない。(c)AFP