【7月14日 AFP】フランスで今週、日本文化をテーマにした過去最大級のイベント「ジャポニスム2018(Japonismes 2018)」が開幕した。日仏の外交関係締結から160年を記念するとともに、両国の文化的な結び付きの強化を目指して、8か月にわたって開催される今回の祭典は、先史時代のアートに関する展覧会や、バーチャルシンガー初音ミク(Hatsune Miku)による欧州初と銘打ったコンサートも行われる。

 AFPの取材に応じた国際交流基金ジャポニスム事務局長の増田是人(Korehito Masuda)氏によれば、日本国外で開催されるこの種のイベントとしては過去最大規模。

 イベント期間中は、パリの複数の有名観光地も日本文化への窓口に様変わりする。9月には、エッフェル塔(Eiffel Tower)が初めて日の丸カラーにライトアップされ、ルーブル美術館(Louvre Museum)のピラミッド内では11月まで、彫刻家の名和晃平(Kohei Nawa)氏の作品である金色の玉座が展示される。

 また、一連のイベントのもう一つの目玉は、初音ミクによる欧州初の「バーチャルリアリティー」のコンサートだ。

 フランス各地で行われる数々のイベントは、「日出づる国」の世界的な影響力を示すことを狙う。イベントの予算3000万ユーロ(約40億円)は日本政府が全面的に受け持つという。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、クロード・モネ(Claude Monet)をはじめとするフランス印象派の画家から今日に至るまで、同国のアーティストが何世代にもわたり日本文化の影響を受けてきたと述べている。また、フランスにおける日本漫画のマーケットは、海外では最大規模を誇る。

 増田氏は、フランスはどこの国よりも日本文化を一番よく分かっている、と話している。(c)AFP/Sophie WEYMES-McELDERRY