【7月14日 AFP】トルコの大統領報道官は13日、2016年7月15日のクーデター未遂後に発令された非常事態宣言を来週、解除すると発表した。レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権はこの非常事態宣言によって、首謀者と見なすイスラム教指導者の組織に関与した疑いで数万人を逮捕するなど権限を拡大していた。

 この発表は、エルドアン大統領が先月の再選後に初めて首都アンカラで行われた閣議の後に行われた。イブラヒム・カルン(Ibrahim Kalin)大統領報道官は、閣議後の記者会見で、「現在の非常事態は、7月18日夜をもって解除される。大統領閣下の意向だ。延長はない」と述べた。

 7回にわたって延長されてきたこの非常事態宣言下では、クーデター未遂事件以降、公務員11万人以上が免職され、大勢が停職処分を受けてきた。閉鎖された組合や財団は1300以上に及ぶ。こうした弾圧を欧米の同盟国は非難。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は4月、この非常事態宣言下で、表現の自由と公正な裁判を受ける権利が「奪われている」と指摘していた。

 しかしトルコ政府はこうした粛清は、当局がクーデター未遂の首謀者と断じている在米のイスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の「ウイルス」を除去するために必要な措置だったと主張。一方のギュレン師は、クーデター未遂への一切の関与を否定し、自身の運動は平和を促すものと述べている。

 カルン報道官は、非常事態宣言の解除によってトルコにおけるテロとの戦いを後退させるわけではないとした上で、テロ対策法の下で引き続き「断固として」この戦いを継続していくと強調。その一方で、トルコが新たな「途方もない脅威」に直面した場合、再び非常事態宣言を発令する可能性を示唆した。(c)AFP