【7月14日 AFP】汚職の罪で禁錮10年の判決を受けたパキスタンのナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相が13日、英国からパキスタンのラホール(Lahore)の空港に到着したところを逮捕された。パキスタンでは25日に総選挙を控えており、シャリフ氏率いる与党・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が不正が行われていると主張するなど選挙戦は激化している。

 首都イスラマバード当局によると、シェリフ氏と娘のマリヤム(Maryam Nawaz Sharif)氏が汚職対策当局によって逮捕され、ラホールの空港からイスラマバードに移送された。ある汚職対策当局者はAFPに対し、匿名を条件に2人の逮捕を認めた。

 有罪判決はパキスタンの強力な軍部による陰謀だと主張しているシャリフ氏は、25日の選挙に自らの政治生命を懸けている。シャリフ氏は、6日に英国の高級不動産の購入をめぐってパキスタンの裁判所から有罪判決を受けた際、妻のがん治療のためロンドンに滞在していたが、帰国をしたことは与党の後押しになると専門家らは指摘している。

 昨年に最高裁の判断により首相を失職、議員資格も剥奪されたシャリフ氏はPML-Nが13日に公開した動画の中で「そのまま刑務所に連れていかれることは分かっている」と発言。「私と共に歩み、私と手を取り合い、国の行く末を変えよう」と国民に呼び掛けた。

 パキスタンでは選挙集会に対する攻撃が相次いでおり、13日には南西部バルチスタン(Balochistan)州で選挙集会を狙った自爆攻撃が発生、128人が死亡している。(c)AFP/Khurram SHAHZAD