【7月13日 AFP】タイの洞窟に閉じ込められていたサッカーチームの少年12人とコーチを発見した英国人ダイバーが13日、報道陣の取材に応じ、「前代未聞」と形容した救出活動でチームを発見した際、少年らを1人ずつ数えながら「非常に大きな安堵(あんど)」を覚えたと語った。

 英国から参加した2人の洞窟探検専門家のうちの一人で、少年らを発見したリチャード・スタントン(Richard Stanton)さんは、タムルアン(Tham Luang)洞窟の入り口から数キロ入った地点で、泥だらけの岩場の後ろから少年らが姿を現した瞬間を振り返った。

「最初は姿が見えなかった、彼らはぐるっと回って出てこなければならなかった」「それはもう非常に大きな安堵感だった。当初は皆生きているかどうかさえ定かではなかったのだから。彼らが下りて来て、13まで数え続けた」

 その発見を機に、タイ内外の注目を集めた壮絶な救出活動が始まった。閉じ込められて18日後となった10日、最後まで内部に居た少年らがようやく無事救出された。

 スタントンさんは今回の任務について、「世界中の洞窟潜水チームが過去に成し遂げた何よりもはるかに難易度の高い指令だった」と話している。

 またスタントンさんと共に潜水したクリス・ジュエル(Chris Jewell)さんは、これまで明かされていなかった内容について詳述した。ジュエルさんによると、タイ当局は洞窟内部の水位を下げるため、山頂付近の水流を迂回させたという。そのおかげで「より多くの時間を稼ぐことができ、この成果にたどり着けた」と述べた。

 スタントンさんは、ダイバーらを英雄視する声には同調しなかった。「われわれは、普段自分たちの興味関心のために使っているごく特殊な技能を用いたというだけ」であり、「社会に何かを還元するために、それを使えることがままある。それこそ今回われわれが行ったことだ」と語った。(c)AFP