【7月13日 AFP】ドイツの連邦憲法裁判所は12日、死亡した少女のフェイスブック(Facebook)のアカウントへのアクセス権を、母親に認める判断を下した。所有者が死亡したソーシャルネットワーク(SNS)のアカウントの扱いをめぐる画期的な判断となった。

 カールスルーエにある連邦憲法裁の判事らは、フェイスブックの個人アカウントは死亡した少女の遺産の一部であり、母親が引き継ぐべきものとみなした。

「ユーザーアカウントに関する契約は、元のアカウント所有者の相続人に移行される」と憲法裁は判断。母親には娘の投稿や個人宛てメッセージを含むアカウントのデータ全てにアクセス権があると認めた。

 少女は15歳だった2012年に地下鉄内で死亡。母親は、少女の死が事故死か自殺かがフェイスブックに残ったデータから判明する可能性があると訴え、フェイスブックを相手取って裁判を続けてきた。

■SNSのデータは日記か?

 母親は、娘のフェイスブックのアカウントのコンテンツについて、書いた本人が死んだ場合は家族が相続できるとされる日記や手紙と法的に同様だと主張してきた。

 1審では母親の主張が認められたが、2017年にベルリンの裁判所が下した控訴審判決は、フェイスブック側の「通信のプライバシーはドイツの基本法(憲法)で保証されている」との主張を支持。母親が憲法裁に上告していた。

 憲法裁は、ユーザーがフェイスブックでメッセージを送るときは、選んだ送信相手のみに内容が公開されると思ってよいが、フェイスブックの仕様は「アカウントの所有者以外の第三者がコンテンツを見れないようになっている保証していない」と指摘。その上で「非常に私的な法律関係でさえ、本人の死後は相続人に所有権が移行される」と述べ、例として「日記や手紙のようなアナログ文書」を明示した。(c)AFP/Carsten HAUPTMEIER with Tom Barfield in Frankfurt