【7月13日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)は12日、第6ステージ(ブレストからミュールドブルターニュ、181キロメートル)が行われ、UTE(UAE TEAM EMIRATES)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)が終盤にアタックを仕掛けてステージ優勝を飾る一方で、マイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を争う優勝候補らが貴重なタイムを失った。

 BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のフレフ・ヴァンアフェルマート(Greg Van Avermaet、ベルギー)は、トップから3秒差のメイン集団でフィニッシュし、13日の第7ステージに向けて総合首位を守った。チームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)がわずか3秒差で総合2位、BMCのティジェイ・ヴァン・ガーデレン(Tejay Van Garderen、米国)が5秒差で同3位、クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)が6秒差で同4位に続いている。

 レース残り1キロメートル付近で飛び出したマーティンは、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のピエール・ラトゥール(Pierre Latour、フランス)とのスプリント勝負を制してトップでフィニッシュラインを通過。総合連覇を目指すスカイのクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は、主なライバル勢から8秒遅れでのゴールとなった。

 この日、優勝候補でタイムを落としたのはフルームだけではなく、アージェードゥゼルのロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)も最後の坂で失速した。さらに、2017年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2017)覇者でチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)も、機材トラブルに見舞われて1分近くのタイムを無駄にしてしまい、「完全に運が悪かった。そこからは、とにかくダメージを食い止めるしかなかった」と悔しがった。

 昨季終盤にスカイやBMCなどからオファーを受けた後、クイックステップからキャプテンとしてUTEへの移籍を決断を下したマーティンは、「リーダーになるために、このチームへやってきた。最初はリーダーという重圧にさらされ、春はあまり調子が出なかった。だけど、今はバスの中でも最高の雰囲気で、笑ったりジョークを飛ばしたりしている。この勝利はチームのものだ。彼らが本当によくしてくれた」と話し、新天地に勝利をささげた。

「アタックが少し早かったけれど、スプリント勝負を制したことがない自分としては、ステージ優勝を狙うにはあれが唯一のタイミングだった。チャンスが到来したのに考えてしまったら、好機は逃げてしまう。行くしかないんだ。だから、飛び出した。頭を下げて突っ走り、足の感覚も良かった」 (c)AFP/Damian MCCALL