【7月13日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との不倫疑惑をめぐり訴訟を起こしている米ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さん(39)が、オハイオ州でストリップクラブ出演中に逮捕された事件で、検察当局は12日、ダニエルズさんに対する訴追を取り下げた。ダニエルズさんの弁護士は、逮捕は「政治的動機」に基づく計略だと非難している。

 ダニエルズさんは11日深夜、同州の州都コロンバス(Columbus)のクラブ「サイレンズ(Sirens)」で逮捕された。地元メディアが報じた調書によると、ダニエルズさんはトップレスになった状態で、「胸を使って客をたたいた」り、「女性客の胸をなでまわし」たりしていた。

 これを見た警察官らが近づいたところ、ダニエルズさんは自分の胸を女性警官の顔に押し付けた後、男性警官の顔を胸に「無理やり」うずめさせたり、この警官の顔を「裸の胸でたたいた」りした。また、別の男性警官の尻や胸を「なでまわした」後で、最初の2人にしたことと同様の行動を取ったという。

 オハイオ州法は、性風俗店でヌードまたはセミヌードで定期的に出演する被雇用者に対し、近親者以外の客に体を触らせたり、そうした客の体を触ったりすることを禁じている。

 会場の後方にいた別の警官が応援を要請し、ダニエルズさんは逮捕された。逮捕に際し大きなトラブルは起こらなかったという。ダニエルズさんはその後、保釈された。

 弁護士のマイケル・アベナッティ(Michael Avenatti)氏はツイッター(Twitter)上で、ダニエルズさんに対する訴追は「完全に取り下げられた」と明らかにし、検察の「プロフェッショナルとしての姿勢」に感謝の意を示した。

 同弁護士が投稿した法廷文書によると、オハイオ州当局は「訴追請求状で示された嫌疑3件のいずれにおいても、継続に必要とされる相当な理由がない」として、訴追取り下げを決定。同文書ではさらに、ダニエルズさんが「サイレンズに定期的に出演している、あるいは出演してきた」という証拠は提出されなかったとした。

 アベナッティ弁護士はこれに先立ち、店に「潜入」した捜査員らが、自分からダニエルズさんに触られようとしたと非難。米ケーブルテレビ局MSNBCに対し、「警察は彼女の知らないうちに、ストリップクラブでおとり捜査を行った」と述べていた。同弁護士はダニエルズさんに掛けられていた軽犯罪の嫌疑3件について、「法執行機関の資源のくだらない使い方」と一蹴した。

 ダニエルズさんはトランプ氏と不倫関係にあったと主張し、同氏を相手取り、秘密保持契約の無効化を求める訴訟を起こしている。(c)by Maggy Donaldson