しかし、病魔は李さんに自由を許すことはなかった。16年9月、肺への感染と拒絶反応で、学生生活を中断せざるをえなくなり、再度入院。母親が李さんに付き添って看病をした。

 17年3月になると、危篤状態を繰り返し、李さんは母親と家族に感謝の手紙を出した。この手紙がその後、「母への手紙」と呼ばれるようになった。

 去年9月に放映されたテレビ番組の中で、俳優の黄志忠(Huang Zhizhong)さんが李さんの手紙を朗読した。黄さんは朗読をしながら幾度となくおえつを漏らし、朗読が終わるころには涙でいっぱいになっていた。

 李さんは今年2月、母親に再び手紙を書いた。

「お母さん、また謝らなくてはいけません。私は努力もしたし、自分を見捨てませんでした。だけど、私は本当に役立たずです。病状がますます重くなり、治る見込みがなくなってきました。たくさんの人が心配してくれたのに、私はもう無理みたいです」

 手紙の中で、李さんは家族やガールフレンド、教師や友人に多くの言葉を書き残していた。

 6日、李さんの熱が収まり、家族は李さんの病状が好転したかと思われたが、翌7日の晩、帰らぬ人となってしまった。(c)CNS/JCM/AFPBB News