【7月16日 東方新報】最近、北京市内でタクシーが捕まらないことに対する不満が、市民から上がっている。配車アプリを使って30分待っても、運転手が迎えに来ないことなど珍しくない。

 記者は北京市の朝陽区(Chaoyang)や海淀区(Haidian)で配車アプリを試してみたが、混雑状況がピーク時でなくても順番待ちの状態が続き、45分たっても「注文」が実行されなかった。こうした現象は、これまでは春節などの祝日以外ではあまり見られなかった現象だ。

 仕事の関係で頻繁に北京駅(Beijing Railway Station)から電車に乗るという地元市民の盧さん。北京駅に向かう際、アプリを使って普段なら3~5分程度の時間で車が迎えに来るそうだが、2日午後2時にアプリで配車依頼をしたものの、同2時40分を過ぎてもアプリ画面は「現在お客様の車を探しています」の表示のまま。さらに確認をすると、盧さんの前にもう一人、順番待ちをしている状態だった。

 北京市では7月1日から、タクシーの違法営業などを取り締まる規則が実施されている。偽造ナンバーや白タク行為などを厳しく取り締まることに対し、市民は歓迎しているが、一方で配車アプリにも影響を与えているようだ。

 北京市では日中、タクシーが全く拾えない状態が続いている。路上で拾えたとしても、運転手の都合などで目的地まで乗せてもらえるかどうかの保証すらない。その結果、配車アプリの利用もひっ迫し、生活はかなり不便になったと感じる市民もいる。

 滴滴出行(Didi Chuxing)の責任者は、「最近は当社でもピーク時にタクシーが捕まりにくく、待ち時間が長いなど、ユーザーから需給バランスの悪さを指摘されている。計画的にできるだけ事前に予約を入れれば、成功率も若干上がるでしょう」と説明する。

 中国政法大学(China University of Political Science and Law)伝播法研究中心の朱巍(Zhu Wei)副教授は、北京市の車両ナンバー運行規制の影響を指摘している。(c)東方新報/AFPBB News