【7月10日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長が訪朝したマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官と会わなかったのは、ジャガイモ農場の視察で多忙だったからかもしれない──北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は10日、そう示唆するかのように正恩氏が各地を「現地指導」する様子を報じた。

 北朝鮮の国営メディアは日常的に正恩氏の動向をテレビのニュースや新聞の一面で伝えているが、ポンペオ氏の訪朝期間を含めた7日間、正恩氏に関する報道が途絶えたことから専門家らの間で様々な憶測を呼んでいた。

 しかしKCNAは10日、中国と国境を接する北部の三池淵(Samjiyon)郡を正恩氏が視察に訪れたことを伝える4本の記事を報道。KCNAによると、同郡のジャガイモ農場を訪れた正恩氏は農作業員たちに対し、生産性だけを追い求めるのではなく、味が良くて料理に適した様々な種類のジャガイモを栽培するよう指示したという。

 KCNAは三池淵郡視察の日程には触れていないが、正恩氏の側近として知られる金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong-Chol)朝鮮労働党副委員長は先週、訪朝した韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン、Cho Myoung-Gyon)統一相に正恩氏は「地方」を訪れていて不在だと説明していた。

 ポンペオ氏は先月行われたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と正恩氏の歴史的な首脳会談を受けて、北朝鮮の非核化に向けた交渉のため6日から7日まで平壌に滞在。訪朝前のホワイトハウス(White House)による発表ではポンペオ氏は正恩氏と会談するとしていたものの、実際は金英哲氏との会談のみとなった。(c)AFP