■売り上げは2017年の倍

 市場の中心にいるのは一握りの主要メーカーだが、そこに大勢の個人業者も加わって取引が行われている。多くは、てっとり早く現金を手にする方法を模索している人々で、彼ら自身も「スニーカー中毒」だ。

 2017年のスポーツシューズ市場全体は、米国で380億ドル(約4兆2000億円)規模、世界では1000億ドル(約11兆円)規模に達している。再販市場は10億ドル(約1100億円)規模とされているが、ニューヨークにあるスニーカー委託販売店「スタジアムグッズ(Stadium Goods)」の共同創業者で社長のジョン・マクフィーターズ(John McPheters)さん(38)は、この推計は低すぎると言う。

 マクフィーターズさんによると同店では昨年1億ドル(約110億円)以上を売り上げたが、今年は少なくとも売り上げが倍増している。「現在やっていることは、今後数年でやって来るもっと大きなビジネスの始まりにすぎない」と語る。

 スタジアムグッズの売り上げ全体のうち9割はインターネット通販によるものだが、同店では米国内外にさらに数か所の実店舗を展開する計画だ。マクフィーターズさんによると米国以外で市場が大きいのは中国、次いで英国、カナダだという。また、英国を拠点とするファッション通販サイト「ファーフェッチ(FarFetch)」との提携によって、近々ロシアへの進出も狙っている。