【7月10日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)は9日、第3ステージ(ショレ、35.5キロメートル、チームタイムトライアル)が行われ、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)がチームスカイ(Team Sky)を4秒差に抑え、トップタイムを記録した。総合連覇を目指すチームスカイのクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は、スタートラインで観客からブーイングを受けたが、それ以外は最高のレースとなった。

 リオデジャネイロ五輪の男子ロードレースで金メダルを獲得したBMCのフレフ・ヴァンアフェルマート(Greg Van Avermaet、ベルギー)が総合首位に立ち、「本当に最高だし、チームにとっても良い結果だ。明日も勝てるようにチャンスをつくりたい。(第9ステージの)ルーベ(Roubaix)でもね」と喜んだ。

 トップから7秒差の3位にクイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)が入ったが、フェルナンド・ガヴィリア(Fernando Gaviria、コロンビア)は途中で失速してマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を奪い返すことができなかった。

 一方でフルームは、スタート時に受けた一部観客からのブーイングを気にせず、第1ステージで失った貴重なタイムを取り戻した。BMCのリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)には4秒遅れたものの、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)には5秒差をつけた。

 UCIロード世界選手権大会(2017 UCI Road World Championships)覇者でチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)には8秒差、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)には約50秒差をつけ、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)の新鋭ロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)より1分11秒早くゴールした。

 スカイの中で総合順位が最も高いゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)がトップから3秒差につけている一方で、2017年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2017)を制しているデュムランが同11秒差にとどまっている中、今ステージで最も満足な笑顔をみせていたのはバルデだったかもしれない。

 山岳ステージに向けてチームが作られたアージェードゥゼルはBMCから1分15秒遅れの12位に入り、バルデは満足な数字を縮められた。同選手は最後のスパートで置き去りにしたチームメートをフィニッシュラインで一人一人で迎え、「チームが僕らの力だ」とコメントした。

 BMCが第1ステージの不本意な結果から挽回を図っている中、エースとして同ステージで落車していたポートは、少し士気が高まった様子で「かなり逆風にさらされていた。だから、クリス(・フルームのスカイ)に4秒差をつけられたのは良いことだ。それに、ロマン・バルデにも1分ほど差をつけられたようだね」と話した。

■スカイはブーイングを無視

 ツールで4度の総合優勝を誇るフルームは、過去のレースにおいてタイムトライアルでライバルを圧倒し、山岳ステージでもリードを維持する強さをみせつけたその力強いサドルさばきを、この日のレースでも存分に発揮した。

 スタートラインで名前がアナウンスされた際にヤジを飛ばされた33歳のフルームは、「チームにとって大きな試練だった。本当によくやった。われわれの目標は、ライバル全員に最大限のタイム差をつけることだった。だけど、信じてくれ。きょうは簡単な日ではなかった」と振り返った。(c)AFP