【7月10日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が11月に太平洋諸島諸国サミット(首脳会議)の開催を計画していると、パプアニューギニア政府が明らかにした。パプアニューギニアの首都ポートモレスビー(Port Moresby)で11月12~18日に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に先駆けて行う意向だという。

 パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相は9日、フィジーの首都スバ(Suva)で行った議会演説で、APEC首脳会議の数日前に習主席がパプアニューギニアを公式訪問すると明らかにし、その際に太平洋島しょ国の首脳を招いて習主席との首脳会議を開くと述べた。

 オニール首相は会議の内容には触れなかったが、太平洋島しょ国を自国の裏庭だと認識してきたオーストラリアとニュージーランドには無視できない動きと映ったようだ。

 太平洋島しょ国の中には台湾と外交関係を結んでいる国も少なくないが、中国はこの10年ほど太平洋島しょ国への関与を積極的に進めている。オーストラリアのシンクタンク「ローウィー研究所(Lowy Institute)」によると、2006~16年に中国が太平洋島しょ国に行った援助は無利子融資を含めて推定17億8000万ドル(約1980億円)に上る。

 長年、太平洋島しょ国に対する行動を起こしてこなかったオーストラリアとニュージーランドも中国に対抗すべく、経済支援を増大して太平洋島しょ国の人々に再び好感を抱いてもらおうと努めている。

 ニュージーランドのウィンストン・ピータース(Winston Peters)副首相は10日、ラジオ出演し「われわれが去った場所に空白ができれば誰かがそこを埋めにやってくる」と述べ、太平洋地域で地政学的な緊張が高まっていると警告した。

 またオーストラリアは監視用小型無人機(ドローン)開発への投資、ニュージーランドは哨戒機「P8A ポセイドン(P8A Poseidon)」の購入など、軍事力増強計画も明らかにしている。(c)AFP