【7月10日 AFP】夏はロゼワインを楽しむのにうってつけの季節だが、フランスのワイン好きたちは今年、買ったり飲んだりするのをちゅうちょしてしまうかもしれない。フランス産ロゼとして売られていたボトル1000万本分が、実は安価なスペイン産だったことが発覚したためだ。

 フランスの消費者保護機関が9日に確認したところによると、2016~17年に7万ヘクトリットル(ワインボトルおよそ1000万本分に相当)のスペイン産ロゼがフランス産と表示を偽って販売されていた。記載されたメーカーは数百社に上っていた。

 不正を最初に報じた仏大衆紙パリジャン(Le Parisien)によれば、当時の卸売価格はスペイン産のロゼが1リットル当たりわずか34ユーロセント(約44円)だったのに対し、フランス産ロゼは75~90ユーロセント(約98~117円)だったという。

 消費者機関の幹部は、規制対象の業者のうち2016年には22%、2017年には15%、合計で743社が外国産のワインをフランス産だと偽っていたと明らかにした。

 業者の中には、ボトルのラベルにフランス風の名称だが存在しない城の絵を表示したり、飲食店でグラスで販売したりするなど、あからさまにフランスワインとして売っていた業者もあった。

 もっと手の込んだものでは、ボトルのラベルの前面では「フランス産」とうたいながら裏面に「欧州ワイン」と書いているものや、ボトルをフランスのユリの紋章や国旗の色のリボンで飾りつけたものもあったという。

 フランスでワイン消費者に詐欺行為を働けば代償は小さくない。裁判で有罪と認められれば、最長で禁錮2年、罰金30万ユーロ(約4000万円)が言い渡される可能性がある。(c)AFP/Nicolas GUBERT and Joseph Schmid