【7月10日 AFP】トルコで9日、先月の大統領選で再選されたレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が就任宣誓を行い、2期目に入った。議院内閣制は廃止され、大統領に実権を集中させた新たな大統領制が始動。宣誓直後に発表した閣僚人事では主要ポストの財務相にエルドアン氏の娘婿を起用した。

「新たな始まりだ」。首都アンカラの大統領府で行われた宣誓式でエルドアン氏はそう強調し、「国民の主人ではなく、しもべとなるためにここにいる」と力を込めた。

 続いてエルドアン氏は新閣僚を発表。財務相には義理の息子であるベラト・アルバイラク(Berat Albayrak)氏(40)を指名したが、市場は荒れ模様となった。また、新設の副大統領にはフアト・オクタイ(Fuat Oktay)氏が指名された。


首相職を廃止し、大統領に政治の広範な実権に与える新大統領制は、2017年の国民投票でわずかな差で賛成が上回り承認された。首相時代を含め15年にわたってトルコの改革を進めてきたエルドアン氏は、この制度の下で強大な権限を手中に収めた。

 しかし、新制度をめぐって国内世論はいまだに二分されている。トルコ左派紙ジュムフリエト(Cumhuriyet)は、9日のエルドアン大統領就任について「党派的な独裁政権がきょう、正式に始まった」と伝えた。(c)AFP PHOTO / Bulent Kilic