【7月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と交わした非核化の「契約」が守られることを確信しているものの、中国が合意を損なおうとしている恐れがあるとの見方を示した。

 トランプ大統領と金委員長は先月、シンガポールで史上初の米朝首脳会談を開き、共同声明を発表。だが非核化に関するタイムテーブルや北側からの具体的な約束は盛り込まれず、漠然とした内容にとどまっていた。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)に、「私は金正恩氏が、われわれが署名した契約、そしてさらに重要なことに、われわれの握手を尊重してくれるはずだと確信している」と記し、個人的な関係を重視する姿勢を強調。さらに、「われわれは北朝鮮の非核化に合意した」とも書いたが、実際に両首脳が署名した共同声明に盛り込まれたのは、「朝鮮半島(Korean Peninsula)」の非核化という、より曖昧でさまざまな解釈の余地を残す表現だった。

 トランプ氏は続けて、「これに対し中国は、対中貿易におけるわが国の姿勢を理由に、合意に負の圧力をかけているかもしれない──そうでないといいが!」と書き、米朝の交渉に対する中国の態度に疑念を表明した。

 金氏が核兵器の放棄を実行するというトランプ氏の確信とは対照的に、米朝の融和プロセスは危機的状況に陥っている。北朝鮮は8日、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官の訪朝後、迅速な非核化という米政府からの要求を「一方的かつ強盗的」であるとして拒絶した。(c)AFP