【7月21日 AFP】香港の「パートタイムガールフレンド」にとって、ソーシャルメディアは性行為を求めるクライアントと簡単につながることができる手段だ。だが、支援団体はソーシャルメディアの手軽さから、わずか13歳の少女までもが危険に身をさらす状況になっていると警告する。

「パートタイムガールフレンド」とは、学校に通ったり働いたりしながら、副業として援助交際などの売春行為をする若い女性が、自分たちのことを遠回しに呼ぶ言葉だ。

 女性たちは、「part-time girlfriend(パートタイムガールフレンド)」の略称「ptgf」をいろいろ変化させたハッシュタグを用い、インスタグラム(Instagram)などでクライアントの男性とつながる。その後、ダイレクトメッセージに切り替え、サービスの内容や実際に会う方法などのやり取りをする。

 インスタグラムは「#ptgf」や「#hkptgf」のハッシュタグでの検索をできなくしたが、女性たちはこれに漢字やイニシャルを織り交ぜ、新たなハッシュタグのブロックを回避している。

 現場の支援スタッフによると、主に孤独、好奇心、家庭問題、金銭的な理由などの動機から、女性たちはこうした売春行為を始めるという。

 高校生のキキさん(仮名)は、17歳の時にパートタイムガールフレンドとなった。「#ptgf」のハッシュタグの一つを使えば、インスタグラムで男性を探すのは簡単だったという。AFPの取材には「姉と言い争いをして気分が悪かったので、誰か話を聞いてくれる相手が欲しかった」としながら、「初めの数回はとても気分が良かったので、付き合ってくれるクライアントを探し続けた」と述べた。

 キキさんは、知らない人と会うのは怖かったが、金銭的な魅力が不安を上回ったことを認めた。「私の家族はあまり裕福ではなかったので、自分らお金を稼ぎ、貯金した」と話すキキさんがクライアントに請求した料金は、ディナーまたは「おさわり」が300香港ドル(約4200円)、そのほか性的サービスが1000香港ドル(約1万4000円)だった。

 始めてから1年未満でパートタイムガールフレンドはやめた。恋人ができたためだ。

 19歳になった今、キキさんは後悔の念に駆られているという。「未来の恋人や夫は、(この事実を)受け入れられないかもしれない。常に、心臓を針で突き刺されているような気持ち」だと説明し、他の少女たちに対しても、行動に移す前によく考えるよう呼びかけた。