【7月9日 AFP】西日本を中心とする記録的な豪雨の被害状況について、菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は9日、死者87人、心肺停止13人と発表した。雨はようやく小康状態となったものの、9日も救助隊や警察、自衛隊による救助・捜索活動が続いている。

 今回の豪雨による被害は、およそ100人が死亡した2011年8月、9月に連続発生した台風以来最悪の規模。地元メディアはおよそ90人が死亡、50人以上が行方不明と報じており、死者数は今後増加する恐れもある。

 救助・捜索活動には5万4000人以上の救助隊員、警官、自衛隊員らが動員され、現地住民の救援に当たっている。広島県熊野町では先週末に住宅をのみ込んだ土砂崩れの現場で、救助隊が泥を掘り起こす作業を続けた。

 また、岡山県では冠水した地域に派遣されたヘリコプターが生存者の確認を行っている。倉敷市から派遣された救助隊員はAFPの取材に対し、上空から見る限りでは助けを求めている人はいなかったと語った。

 冠水などの被害が発生した広島県三原市に住む女性(82)は、周辺地域が海のようになったと表現。同県坂町でカキの養殖業を営む男性は、このような洪水被害は40年住んでいて初めてだと語った。

 当局によると9日は気温が高くなるものと予想され、少ない所持品で簡素な避難所に滞在している住民や、水や電気が止まった状態で壊れた家屋に留まる住民には新たな困難となる恐れもある。(c)AFP/Hiroshi HIYAMA