【7月7日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領は6日、スペインの首都マドリードで講演し、「ナショナリズムの台頭」を警告するとともに新しいメディアが社会の分断を加速する可能性を指摘した。

 技術革新とごみを削減する循環型経済に関する会議に出席したオバマ氏は2000人の聴衆を前に、新しい技術を生活改善のためにどう利用するべきかを考えなくてはならず、新しい技術によって社会の分断が促進されてはならないと訴えた。

 オバマ氏は、インターネットや多種多様なメディアにより、人々が同じ一つの現実を見ても全く違った受け止め方をすることがますます増えていると指摘。「米FOXニュース(Fox News)を見ると、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)を読むのとは別の現実を目にすることになる」と述べ、「(FOXニュースなどのメディアの中では)気候変動はまったく起きていない」と語った。

 さらにこの現象は「世界規模で偏見を助長しようとする勢力によって利用されている」として、問題解決には若者たちが他人とは違う考え方をするよう訓練する必要があると述べた。

 オバマ氏は同日その後気候変動に関する会議に出席するためポルトガルのポルト(Porto)に向かう予定。オバマ氏は先に、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が気候変動の科学的研究を推進していないことを批判していた。(c)AFP