【7月6日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は6日、北朝鮮の首都平壌を訪れ、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の右腕とされる金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong-Chol)党副委員長らとの会談に臨んだ。今回の訪朝では歴史的な米朝首脳会談で言及された非核化に向け、金委員長からより具体的な約束を引き出す狙いがある。

 平壌に到着したポンペオ長官を、金英哲党副委員長と李容浩 (リ・ヨンホ、Ri Yong-Ho)外相が迎えた。

 先月の金氏との会談以降、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は平和実現に強気の姿勢を見せ、核戦争の脅威は終わったと自信を示している。

 ただ両首脳が署名した共同声明では、明確な約束には至っていない。ポンペオ長官の今回の任務は、米側が希望する、金委員長による核兵器開発の規模の明示とその廃棄に向けたタイムテーブルへの合意のための計画を、交渉を通じてまとめることにある。

 協議に先立ち、「非常に生産的な」会談を楽しみにしていると述べていたポンペオ長官と金英哲氏は、3時間近く協議。同長官は今回初めて平壌で1泊し、米側によると、協議は翌7日午前にも続けられるという。

 米政府は「完全」非核化への年内着手を望んでいるが、識者や反トランプ派の多くは、金氏の首脳会談での約束に実質的な意味はほぼ皆無であり、仮に非核化のプロセスが実際に始まったとしても何年もかかると警戒している。

■「手土産はロケットマンのCD」という韓国報道は一笑

 韓国の朝鮮日報(Chosun Ilbo)は米政府筋の話として、昨年トランプ氏が金氏を「小さなロケットマン」と呼んだエピソードにちなみ、金委員長への手土産として英歌手エルトン・ジョン(Elton John)のCD「ロケットマン(Rocket Man)」が贈られると報じていた。

 ただポンペオ氏は平壌入りした直後に、この報道を一笑に付した。(c)AFP