【7月7日 AFP】車内販売員がトイレの水を使って紅茶やコーヒーを入れていたスキャンダルが発覚したインド鉄道(Indian Railways)は、イメージ回復のため利用客に調理過程を公開することを決め、4日からキッチンのライブストリーミング映像の配信を始めた。

 2017年にインド政府の会計検査院から「人の飲食用に適さない」食事を販売していると指摘されたインド鉄道は、提供する食事の安全性をアピールしようと躍起になっている。

 会計検査院によると、インド鉄道の食事は汚染されていることが多く、残飯や消費期限切れの食品が使われているほか、ボトル入り飲料水のブランド偽装なども行われていた。

 車内キッチン付近でネズミやゴキブリが出た、食事が虫だらけだったというようなクレームは日常茶飯事だ。今年5月には、車内販売員がトイレの水を使って紅茶やコーヒーを入れる様子が動画に捉えられ、インド鉄道に対する国民の信頼はさらに揺らいだ。トイレの水を使って紅茶やコーヒーを入れていた事件はインドの通勤客の怒りを呼び、車内販売員には10万ルピー(約16万円)の罰金が科された。

 インド鉄道で食事提供を担うインド鉄道ケータリング&ツーリズム公社(IRCTC)はキッチンのライブストリーミングによって調理過程の透明性を高め、顧客からの信頼を高めていくとしている。インド鉄道ではIRCTCの他に、民間のケータリング業者も加工食品などを販売している。(c)AFP