【7月6日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は5日、環境保護局(EPA)のスコット・プルイット(Scott Pruitt)長官(50)の辞任を承認したと発表した。プルイット長官は公費の使い道や言動をめぐり、度重なるスキャンダルに見舞われていた。

 トランプ大統領はツイッター(Twitter)で「スコット・プルイットEPA長官の辞任を承認した。局内でスコットは素晴らしい仕事をしてくれた。私はこれに対する感謝の気持ちを忘れない」と述べた。

 大統領は続けて、石炭業界の元ロビイストであるアンドリュー・ウィーラー(Andrew Wheeler)EPA副長官が9日に長官代行に就任すると発表した。前オクラホマ州検事総長で化石燃料関連業界とのつながりが深いと報道されていたプルイット氏は、最近ではEPAの監察官やその他2つの連邦組織、議会による複数の調査の対象となっていた。

 プルイット氏に対する疑惑は数多く取り沙汰されているが、それらに共通しているのは2017年2月にEPA長官に就任して以来、その立場を利用して違法に自身と家族の私腹を肥やしていたとみられることだ。一方で、プルイット氏の行為をとがめる部下や従順でない部下には厳しく接した。

 最初に持ち上がった問題は、政府の慣例に反して出張の際に公費でファーストクラスやプライベートジェットを繰り返し使用していたことだ。その後、自身に24時間体制の警護をつけるなどして警備費用が前任者の倍に膨らんでいると報じられた。

 また、石油業界のロビイストから首都ワシントンの高級地区にあるマンションを1泊わずか50ドル(約5500円)で借りていた。さらには、部下に自宅用マンションを探させていた他、スポーツイベントのチケットの購入、妻の職探しの手伝いまでさせていた。

 トランプ氏はこれまで、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」からの離脱という自身の決断を支持したプルイット氏を擁護。経済成長の妨げとみているバラク・オバマ(Barack Obama)政権の環境規制の緩和をプルイット氏が進めたことを評価していた。

 しかし、この数週間はトランプ氏の発言にも変化が見られ、先月にはプルイット氏はEPAで「素晴らしい仕事」をしているとたたえながらも、「正直に言えば、満足していないこともある」と述べていた。(c)AFP/Jerome CARTILLIER