【7月5日 CNS】権威ある英誌「ザ・バンカー(The Banker)」が2日発表した2018年の世界トップ1000行リストによると中国の4大銀行が初めて上位4行を占めた。

 1位から順に、中国工商銀行(ICBC)、中国建設銀行(China Construction Bank)、中国銀行(Bank of China)、中国農業銀行(Agricultural Bank of China)だ。

 トップ10行の構成は2017年とほぼ変わらず、中国4行、米国4行、英国1行、日本1行だ。

 中国銀行国際金融研究所の原暁惠研究員は、「昨年はJPモルガン・チェース銀行(JPMorgan Chase)以外の3行が中国の銀行だったが、今年のリストの最大の変化はトップ4行がすべて中国の銀行となった点だ」と分析している。

 中国銀行が1位、中国農業銀行が2位となったことで、米国の銀行が相対的にランクを下げた。中国の銀行は、自己資本総額、資産総額、税前利益総額において、3年連続でユーロ圏、米国を越えトップに上り詰めた。

 リストからは、世界の銀行業がこの7年来で初めて、収益と資本の成長を迎えていることが読み取れる。世界の銀行1000行の状況をみると、2017年の税前利益の総額は1兆1000億ドル(約122兆円)に達し、前年同期と比べ15.57%増加した。長期的にマイナス金利の状態にある日本の銀行業でさえ、利益の成長率は7.6%に達する。

 同時に、全世界の大銀行1000行の2017年の自己資本総額の合計は8兆2千億ドル(約909兆円)で、前年同期と比べ11.67%増。ラテンアメリカとカリブ海を除いた世界の全地域の自己資本成長率は2桁を上回った。利益の成長速度と自己資本の成長速度がいずれも2桁を上回ったのは2010年以来のことで、世界の銀行業が強い回復状況にあることを表している。

 雇用面では2極分化の傾向が表れている。一部の中小銀行は従業員数を増やし規模を急速に拡大している一方、大型銀行は従業員を削減して有機的な成長と持続的な発展を実現しようとしている。

 中国の大型銀行と中小銀行の差異はさらに顕著で、建設銀行は2017年に1万人を削減した。これに対し、華夏銀行(Huaxia Bank)、興業銀行(Industrial Bank)、上海浦東発展銀行(SPD Bank)は、全世界の従業員数を増加した銀行上位10行に入っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News