【7月4日 AFP】タイ北部チェンライ(Chiang Rai)県にあるタムルアン(Tham Luang)洞窟に閉じ込められ、2日に生存が確認されたサッカーチームの少年12人とコーチ(25)について、専門家らは3日、9日間にわたって食べ物もほぼなく弱っており、今後は筋肉の衰えや栄養不良の他、感染症といった健康リスクに直面するとの見解を示した。

 しかし、最終的に大きな意味を持つのは、肉体的強靱(きょうじん)さよりも精神的な強さなのかもしれない。救助隊が暗くて湿った洞窟から彼らを救出する方法を模索する間──それが数週間または数か月かかろうとも──希望を捨てずにいることが重要になるからだ。

 これまで、増水や火災で坑内に閉じ込められた労働者らを何度も救った経験を持つ、英高山救助隊「マインズ・レスキューサービスUK(Mines Rescue Service UK)」のアンドリュー・ワトソン(Andrew Watson)氏は、「精神面は、最も重要視されるべき項目の一つであるべき」と指摘する。

 救助ダイバーらは3日、ようやく11~16歳の少年らとコーチが閉じ込められていた場所に到達した。13人は空腹状態でぼろぼろになっていたが、それでも全員、驚くほど元気だった。

 救助隊の到達は、少年らにとって大きな喜びとなった。しかし、救助隊がさまざまな選択肢を検討する間、しばらく洞窟内に留まっていなければならないことをすぐに知らされた。

 最も安全なのは、今後、彼らを閉じ込めている水が引くのを待つことだろう。別の選択肢もある。子どもらに潜水を教えることだ。だがこれには危険が伴う。訓練されたダイバーでさえ、泥水の中を泳ぎ、目的地に到着するのに6時間かかった。

 英ロンドン大学キングズカレッジ(King's College London)で心的外傷後ストレス障害(PTSD)について研究するニール・グリーンバーグ(Neil Greenberg)氏は、AFPの取材に「自分たちがいつどのように救出されるかについての不安が、彼らの中に広がり始めることも考えられる」と指摘した。