【7月4日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場しているクロアチア代表の守護神で、デンマークとの決勝トーナメント1回戦で勝利の立役者となったダニエル・スバシッチ(Danijel Subasic)が、試合中にコンクリートの壁に頭をぶつけて命を落した友人を追悼するTシャツを着用してプレーしていることを明らかにした。

 1日の試合でスバシッチは、デンマークのPKを3本セーブし、クロアチアの準々決勝進出に貢献すると、母国クロアチアのメディアのほとんどは、故フルヴォイェ・チュスティッチ(Hrvoje Custic)氏の写真に「永遠に」という言葉がそえられたTシャツをユニホームの下に着ける同選手の写真を掲載した。

 現在フランス・リーグ1のASモナコ(AS Monaco)に所属しているスバシッチは、クロアチアのNKザダル(NK Zadar)でチュスティッチ氏とチームメートだった。しかし、チュスティッチ氏は2008年、試合中にコンクリートの壁に頭を打ち、数日後に死去した。

 チュスティッチ氏の父で、NKザダルのディレクターを務めるスヴェコ・チュスティッチ(Svetko Custic)氏は、デンマーク戦終了後に「これ以上誇らしいことはない」と語った。

 33歳のスバシッチは、いつもチュスティッチ氏の写真が描かれたTシャツを着けてプレーしており、ときには「私の天使よ、どこにいる?」の文字が入ったシャツも着ている。スバシッチは「フルヴォイェはいつも一緒にいる。Tシャツだけでなく、心にも」と話していた。

 1日のデンマーク戦でみせたパフォーマンスについて、スバシッチは「PKは運だ。今回はツキがこっちに来た」と語っている。(c)AFP