【7月3日 AFP】内戦が続くシリアの南部で、ロシアの支援を受けた政府軍が進める軍事作戦により、27万人以上が避難民化したことが分かった。国連(UN)が2日、発表した。

 シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は同盟国のロシアと共に、2週間近くにわたり空爆や砲撃、たる爆弾などで南部の反体制派支配地域を攻撃している。戦略上重要な同地域は約1年前、米国、ヨルダン、ロシアが交わした停戦合意で表向きは保護対象となっていたが、アサド大統領は同地域を断固として奪還する構えだ。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2日、今回の攻勢によって家を追われた民間人の数が衝撃的なペースで増えていると指摘。ヨルダンの首都アンマンのUNHCR報道官、ムハンマド・ハワリ(Mohammad Hawari)氏は、シリア南部の避難民の数は当初、20万人に達する見通しだったが、「記録的な期間ですでに27万人を超えた」と説明。国連によると、うち7万人がヨルダンとの国境沿いに避難している。

 ハワリ氏は「われわれはシリア南部で真の人道危機に直面している」と指摘した。(c)AFP/Mohamad Abazeed