【6月30日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は29日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が4月にホワイトハウス(White House)でエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と会談した際、フランスは欧州連合(EU)を離脱し米国との2国間貿易協定を結ぶべきだと提案したと報じた。

 同紙は欧州当局者2人の話として、トランプ大統領がマクロン大統領に「EUを去ったらどうか」と問いかけたと報道。AFPが取材した外交筋も、この会話の主旨を確認した。

 マクロン氏は、昨年の仏大統領選で一貫した親欧州政策を掲げて当選した。一方のトランプ大統領はEU批判を繰り返しており、特に自動車産業に関してEUが不公平な貿易を行っていると厳しく非難してきた。

「米国第一主義」のスローガンを掲げて大統領選に臨んだトランプ氏は、主要国際機関の一部を頻繁に非難しており、批判の対象には欧米関係を支えてきた北大西洋条約機構(NATO)も含まれている。

 報道によると、トランプ大統領は今月初めにカナダで開催された先進7か国(G7)首脳会議(サミット)で各国首脳に対し、NATOは「北米自由貿易協定(NAFTA)と同じぐらい悪い」と伝えたとされる。トランプ氏は、NAFTA参加国のカナダとメキシコが米国にとってより好ましい条件を受け入れなければ、同協定を破棄する構えを示している。(c)AFP