【6月30日 CNS】中国・上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)に23日、日本研究センターが設立され、中日平和友好条約40周年記念国際シンポジウムが開催された。

 中日両国から来賓約100人と各界トップ約200人が招待された。「新たな時代背景下の新しい中日関係のあり方」や「『一帯一路(One Belt One Road)』提唱と中日協力」などをテーマに、共に直面する問題の解決策や、両国の平和と繁栄などについて議論を交わした。

 同研究センターは、法律や政令についての対話、経済協力、科学技術共同イノベーション、都市のガバナンス、海洋開発政策の五つの角度を中心に実証・分析と交流を行う。

 教育部の国別研究重点基地が認定する研究機関として、中日人材交流データバンクや中日経済法規データバンクを構築する計画。また、現代日本の多角的な研究をまとめた書籍や東アジア共同体思想の翻訳書籍、日本研究の定期刊行物などの出版も計画している。このほか毎年中日フォーラムを開催し、政治、法律、海洋など重要な分野で両国各界のエリート間の対話を進めるなど、さまざまなアプローチでの中日間での協力を計画している。

 上海交通大学・日本研究センター主任で法学部の季衛東(Ji Weidong)教授は、同大学卒業生で著名政治家だった汪道涵(Wang Daohan)氏が提唱した「海派(訳:上海式)日本研究」について、「特徴は主に中国と西洋の文化が程よく調和しており、多元的な視覚で物事を捉えることができ、思想に対しても包容力があることから、グローバルで多元的に日本を捉えることが可能だ。上海式研究は必然的に多くの企業、貿易、金融、海運、都市管理、中央と地方政府間の関係といった現実の問題に関して、より技術的で専門的な知識と経験を生かすことができる。同じように地球と個々の地域を密接に結びつける『グローカル化』、異なる文明や文化を共存させる『多元文化』に関して力を発揮することができる」と説明した。

 このほか、日本からは福田康夫(Yasuo Fukuda)元首相や在上海日本国総領事館の片山和之(Kazuyuki Katayama)総領事らが参加した。

 また、福田元首相とアジア調査会(Asian Affairs Research Council)の五百旗頭真(Makoto Iokibe)会長が、日本研究センターの名誉顧問に任命されたほか、神戸大学(Kobe University)と慶應大学(Keio University)との協力協議をそれぞれ締結した。(c)CNS/JCM/AFPBB News