【6月27日 AFP】タイ北部の洞窟内でサッカーチームの少年12人とコーチが5日間にわたって閉じ込められる中、現場では27日も救助隊員らが排水作業に当たるなど、懸命の救出活動を展開した。

 今回の災害が発生したのは、ミャンマーおよびラオスとの国境に近い、チェンライ(Chiang Rai)県にある国立公園内のタムルアン(Tham Luang)洞窟。モンスーンの豪雨により洞窟の大きな入り口がふさがれ、23日夜から11~16歳の少年らが閉じ込められており、これまでに1000人前後が救助活動に動員された。

 現場周辺では雨が降り続き、数百人の救助隊員が夜通しで洞窟内の水をくみ出す高圧ポンプを投入したものの、成果は出ていない。

 県知事は記者団に対し、「今日の仕事は一層困難だ。われわれは一生懸命ポンプで排水しているが、水位は上昇し続けている」と話した。また洞窟内には捜索のために救助隊員200人が派遣されたが、内部の状況は劣悪で、同知事は「洞窟内の水は非常に濁っており、酸素もあまりない」と説明している。

 タイ海軍の特殊部隊はフェイスブック(Facebook)上で、水位は一晩で15センチ上昇し、数キロの長さにおよぶとみられる複雑な構造を持つ洞窟のうち、3分の1の空間が浸水していると報告している。

 現場では、少年らがすぐに救助されることを必死に願う親族らの横で、オレンジ色のけさを着用した僧侶たちがお経を唱えた。

 洞窟に閉じ込められている16歳の少年の母親はAFPに対し、「(救助活動に携わる)全員の手助けにより、息子が今日救出されることを願う。私は心の中で確信している」と話した。(c)AFP/Sippachai KUNNUWONG