【6月27日 AFP】ラグビー日本代表とスーパーラグビー(Super Rugby)のサンウルブズ(Sunwolves)で指揮官を務めているジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)が27日、来年日本で開催されるラグビーW杯(Rugby World Cup 2019)でチームは歴史を残せると、ここまでのチームづくりに自信をのぞかせた。

 日本代表は、前週末のジョージア戦に28-0で快勝。その前のイタリアとの2試合は1勝1敗のタイで終えており、6月のテストマッチシリーズは2勝1敗の成績となった。ジョージア戦では、世界ランキング12位以上の国を相手に初めて無失点を達成。しかしジョセフHCが珍しく自信を口にしたのは、チームがイタリア戦の敗戦から立ち直る気骨を見せたからだった。

 ジョセフHCは、「イタリアとの2試合では、われわれの目指すラグビーの一端をお見せできた。選手は自信を持ってプレーし、判断も素晴らしかった。しかしジョージア戦では、チームの全力を尽くす姿勢とまとまりを見せることができた。今のチームには、W杯へ向けた準備という点でまさに欠かせない、気持ちの強さが生まれ始めている」と語り、来年は「大きなことを成し遂げられる」と続けた。

「もしベスト8に入ることができれば大成功だし、順調にそこへ近づいていると確信している。ただし、選手自らがそこへ向かう意志を持つことが条件だ。私の仕事は勝利への道筋をつけ、選手が自信をつけられる道を見つけることだ」

 かつてはW杯で「お客さん」だった日本だが、2015年のイングランド大会(Rugby World Cup 2015)では、エディー・ジョーンズ(Eddie Jones)前HCの下でプールステージ3勝を挙げ、中でも優勝2回の南アフリカから収めた34-32の金星は驚きをもって受け止められた。

 その後、ジョセフHCが就任した直後の2016年は苦しんだ日本だが、2017年にはチーム状態が大きく改善。特に、23-23とフランス相手に一歩も引かなかった試合は十分に勝てるチャンスがあり、チームは明らかに底を脱した感がある。それでもHCは「安心はしていない。自分の仕事に確信があり、自分のやっていることが正しいと信じるのなら、それを続けるのみだ」と話している。

 今年、日本代表とサンウルブズの過酷な二足のわらじを履いてきたジョセフHCは、スーパーラグビーでの戦いが選手をタフにしたと考えており、ここまでの2シーズン、成績の振るわないサンウルブズはスーパーラグビーから身を引くべきだという批判が出ていることは意識しながらも「良くなり始めた大きな理由の一つはそこだ。スーパーラグビーは世界で最も過酷な大会で、世界の舞台で戦える力をつけたいなら、間違いなく継続して参戦すべきだ」と話している。

 来年のW杯でプールAに入っている日本は、アイルランド、スコットランド、ロシア、プレーオフ勝者と対戦する。ジョセフHCは決勝トーナメントに勝ち進むための課題として、「緩い」プレーで反則を取られる癖を改善しなければならないと話している。

「イタリアとの第2戦は気を緩めてしまった。アイルランドやスコットランドをW杯で倒したいなら、カギはそういう瞬間になるだろう。ああいった緩い時間帯をつくってはならない」 (c)AFP/Alastair HIMMER