【6月27日 AFP】アヘンとコカインの世界生産量が記録的な高水準に達したことが、26日発表の国連薬物犯罪事務所(UNODC)の年次報告書で明らかになった。アヘンはアフガニスタン、コカインはコロンビアがそれぞれ世界生産量の大部分を占めるという。

 声明によると、アヘンの2017年の生産量は前年比65%増の1万500トンで、「UNODCがアヘン世界生産量の調査を開始した21世紀初頭以降で最高の推計値を記録した」という。

 そのうちの大部分を占めるアフガニスタンの生産量は前年比87%増の9000トンに達した。

 報告書によると「この増加を後押しした要因としては、政情の不安、政府による統制の欠如、経済機会の減少などが挙げられる」という。

 アフガニスタンでの生産が再び活性化したことにより、アヘンの原料となるケシの世界の作付面積が37%増の42万ヘクタール近くに達したとUNODCは指摘。そのうちの4分の3以上がアフガニスタンにあることを説明した。

 また、コカインの2016年の世界生産量は前年比25%増の推定1410トンで、「これまで報告された中で最高レベル」に達した。

 世界生産量の大部分を占めるコロンビアの2016年の生産量は、2015年からの増加率が33%を上回り、866トンとなった。コカイン生産の原材料となるコカの葉の栽培に使用される土地の面積は現在、世界で約21万3000ヘクタールに及んでおり、うち69%がコロンビア国内に存在する。

 コロンビアにおける生産の増加が、旧最大ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」の反政府勢力と政権側との間で締結された和平合意の履行にとっての課題を示すとともに、「密売組織の勢力と富の増大につながるのは避けられない」と、報告書は指摘している。(c)AFP