【6月26日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の国内11の開催都市が、メキシコやコロンビア、ペルー、アルゼンチンといった中南米からのファン数万人で埋め尽くされ、人々を驚かせている。その一方で、欧州各国の訪問者らからは、ロシアに試合観戦に行くことについて、周囲から「狂気の沙汰」とあきれられているとの声も上がっている。

 世界規模で行われるこのスポーツイベントで、サポーターらが示したこうした対照的な反応は、18年にわたるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の統治において、同国が欧州から徐々に遠ざかっている現実を反映したものだ。

 しかし、ロシア政府が現在、友好関係を築きつつある中南米の国々ではサッカー愛が強く、またロシアのフーリガンや毒殺未遂事件についての報道もほぼ見られない。

 このような背景に加え、より豊かな中間層が世界中で増えていることも後押しして、ロシア大会の各開催都市では、中南米の人々の姿を多く見かけることができるようになったと考えられる。

 モスクワの赤の広場(Red Square)を訪れたマウリツィオ・ミランダさん(30)は、コロンビア国旗を振りながら「こんなに美しい所とは思っていなかった。人々も素晴らしい」「絶対にまた来たい」とAFPに話した。

 ベルギーで、PRコンサルタントとして働いているというジョ・ド・ムンテさん(46)もこの意見には反対ではない。しかし、母国にいる彼の友人たちは違う。

「欧州の人々は少し怖がっていると思う」。ムンテさんはレーニン廟(びょう)の方角を見ながら述べ、「(ロシアに)サッカーを見に行くなんて狂気の沙汰だと皆に言われた」と続けた。