【7月2日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)は、2日に開幕する今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)で通算8度目のタイトル獲得を目指している。そこでAFPは、セレーナが栄冠に輝いた過去7度の決勝をまとめた。

■2002年:ヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、7-6、6-3)

 当時20歳だったセレーナは、四大大会(グランドスラム)ではすでに2つのタイトルを手にしていたが、ウィンブルドンでの栄冠はこれが初めてだった。2歳年上で世界ランク1位に君臨していた姉のヴィーナスを下したこの勝利を機に本格的な躍進を遂げた。セレーナは圧勝を収めて家族で一番強いのは誰なのか明確に示すと、世界ランキングでもヴィーナスを抜いてトップに浮上した。

■2003年:ヴィーナス・ウィリアムス(4-6、6-4、6-2)

 セレーナは5つのグランドスラムのトロフィーを棚に飾り、世界的スターの地位を確立していたが、ウィリアムス姉妹の人気は依然としてファンの間で浮き沈みが激しかった。ウィリアムス姉妹による決勝戦が続いたことで、あまり温かい歓迎を受けなかった全仏オープンテニス(French Open)のように、この試合も世間のしらけムードが漂う奇妙な試合の一つとなった。ヴィーナスは大会序盤で腹部を痛めていたにもかかわらず、再び決勝でセレーナの前に立ちふさがったが、妹が2年連続でタイトルを獲得した。

■2009年:ヴィーナス・ウィリアムス(7-6、6-2)

 2004年大会ではマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)、2008年大会ではヴィーナスの前に決勝で敗れていたセレーナは、この年のウィンブルドンで6年ぶりに女王の座に返り咲いた。ウィリアムス姉妹は対戦成績10勝10敗で頂上決戦に臨んだものの、試合前の下馬評ではここまで1セットも落とさずに圧倒的な強さをみせつけていたヴィーナスが僅差で勝つと予想されていた。ところが、セレーナがその予想を覆してストレート勝ちを収め、ヴィーナスの大会3連覇を阻止。通算4度目となったウィンブルドンでのウィリアムス姉妹対決で、セレーナが通算11度目のグランドスラム優勝を果たした。

■2010年:ベラ・ズボナレワ(Vera Zvonareva、6-3、6-2)

 この年のファイナルでは、セレーナが自身のウィンブルドン決勝で最も一方的な展開に持ち込み、わずか1時間6分でズボナレワを退けて格の違いを見せつけた。大会を通して1セットも落とさなかったセレーナにとって、これが初のグランドスラム決勝だったズボナレワは、まるで相手にならなかった。セレーナはまた、この勝利でメジャー通算13勝目を飾り、グランドスラムにおける女子シングルスの優勝回数ではビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏を抜いて歴代6位に浮上。試合後にはセンターコートのロイヤルボックスに座っていたキング氏に向かって、「ヘイ、ビリー。捕まえた。これで13勝目」と言い放った。

■2012年:アニエスカ・ラドワンスカ(Agnieszka Radwanska、6-1、5-7、6-2)

 2010年から2012年にかけて故障や体調不良で戦線離脱を余儀なくされていたセレーナにとって、5回目のウィンブルドン制覇は格別な喜びとなった。雨で中断した第2セットはラドワンスカが善戦してものにしたが、セレーナは30代でウィンブルドンを制した選手として、1990年のマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏以来の快挙を達成。さらには大会を通じて、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)史上最多となる102本のサービスエースを記録し、「言葉が出ない。数年前なら、おそらく成しえなかっただろう」と話した。

■2015年:ガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、6-4、6-4)

 セレーナは2003年に続き、この年のウィンブルドンで自身2度目となるグランドスラム4大会連続優勝「セレーナスラム」の偉業を成し遂げた。グランドスラムの決勝でプレーするのはこれが初めてとなったムグルサに対し、セレーナは第2セットに一瞬の隙をみせてサービスゲームを2度ブレークされる場面があったものの、相手の緊張にうまくつけ込むことに成功した。グランドスラムでの優勝はこれで通算21度目にして2015年では3回目となったセレーナは、「最後まで、本当に重圧を感じていた」と語った。 

■2016年:アンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、7-5、6-3)

 通算7度目のウィンブルドン制覇を成し遂げたセレーナは、シュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏が保持していたオープン化以降のグランドスラム歴代最多優勝記録の22勝に並んだ。1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)では、ケルバーがセレーナを下して優勝したものの、ウィンブルドンでは再び衝撃的な勝利を飾ることはできなかった。セレーナはこの数週間前のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)決勝で敗れていたが、本来の調子を取り戻すと大会を通じてわずか1セットしか落とさずにトロフィーを手にし、「このコートは本当にわが家のように感じる」と語った。(c)AFP