【6月26日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループDで絶体絶命の状況に直面しているアルゼンチン代表のホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督は、生きるか死ぬかの命運が決まる26日のナイジェリア戦について、チームに勢いをもたらす足掛かりになる一戦だと強調した。

 グループ初戦でアイスランドに1-1で引き分け、2戦目にはクロアチアに0-3で完敗したアルゼンチンは、次のナイジェリア戦で敗れればリオネル・メッシ(Lionel Messi)が長年待ち望んでいた国際大会のトロフィー獲得が見送られる上に、チームは1勝もせずにグループ敗退の屈辱を味わうことになる。

 自身の戦術とメンバーの起用法が選手を混乱させているとして、サンパオリ監督には解任を求める声が噴出していると伝えられているが、選手やコーチをはじめ、最近ではアルゼンチンサッカー協会(AFA)のクラウディオ・タピア(Claudio Tapia)会長との話し合いなど忙しい1週間を送った後、同指揮官はチームのW杯での運命については開き直るような前向きな姿勢を示した。

 サンクトペテルブルク(St. Petersburg)での大一番を控えたサンパオリ監督は、報道陣に対して「優勝まであと5試合を戦わなければならない。明日はその初戦だ」とすると、「明日は誰がプレーすることになろうとも、アルゼンチンが勝ち抜くためには、最後まで汗を振り絞って戦わなければならない。われわれに残された選択肢はなく、これからどうなるかは明白だ。明日は今大会で最も強いアルゼンチンを見ることになるだろう」と述べた。

 メッシの本領を最大限に引き出すシステムが確立できていないとして激しい批判にさらされているサンパオリ監督だが、自身が置かれている現状については「仮想世界」になぞらえながら、「サッカーでは試合に敗れると負け犬扱いだ。こうした仮想世界では、サッカーの試合に負けると犯罪者のような気分になることがある」と反論した。(c)AFP/Kieran CANNING