【6月26日 AFP】イランの首都テヘランの大規模市場「グランド・バザール(Grand Bazaar)」で25日、通貨リアルの暴落に抗議する商人らが、同国では珍しいストライキを行い、同時に街頭でも抗議デモが行われた。

 AFPのフォトグラファーは、テヘラン中心部の交差点で「イラン人よ、私たちを支持せよ」と投石しながら繰り返し叫ぶ数十人の若者に対し、機動隊が催涙ガス弾を発射する光景が見られたと伝えた。

 バザールの理事長アブドラ・エスフィアンダリ(Abdollah Esfiandari)さんは、イラン学生通信(ISNA)の取材に対し、「市場の商人らの要求は合法的だ。彼らは今回こそ外国為替市場をめぐる状況をはっきりさせたいと望んでいる」と述べた。

 エスフィアンダリさんは、抗議の対象は「高い為替レート、外貨変動、商品が税関で止められてしまうこと、税金についての明確な基準が提示されていないこと」などだと説明した。

 リアル相場はこの6か月間で50%も下落し、現在は実勢で1ドル=8万5000リアル程度で推移している。市場周辺で育ったというじゅうたん商人(45)は、各店舗のシャッターが下りたままの光景を「生まれて初めて見た」と語った。

 米国が2015年にイランと欧米など6か国と結んだイラン核合意からの離脱を表明した今年5月以降、イランは経済難に直面している。核合意はイランの核開発を制限する見返りとして、対イラン制裁が緩和されていた。(c)AFP