【6月26日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場しているイラン代表のカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督は、ポルトガルと1-1で引き分けた25日の試合で、ポルトガルの主将クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がイランのDFモルテザ・プーラリガンジ(Morteza Pouraliganji)に肘打ちしたことがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で確認されたにもかかわらず、幸運にもレッドカードを逃れたという認識を示した。

 2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)では母国ポルトガルの指揮官を務めていたケイロス監督は、プーラリガンジの顔を肘で打ったロナウドは退場処分が妥当だったと主張し、「自分の母国と選手について、あまり余計なことは話したくない。それは、私に対して敵意が向けられることになるからね。しかし、試合を止めてVARで確認したら、実際には肘が出ている。肘打ちは規則でレッドカードに相当する。規則では(リオネル・)メッシ(Lionel Messi)やロナウドに関する言及はない」と述べた。

 サランスク(Saransk)で行われたこの試合では、問題の場面で相手と口論になったロナウドをはじめ、VARで2度のPKが認められた。ケイロス監督は「以前なら人為的ミスは許容範囲だったし、それは試合の一部だった。選手もコーチも、そして審判も間違いは犯すものだ。しかし、現在は莫大(ばくだい)な資金を投入して一つのシステムが導入されている。高度な技術と5人から6人の人間が中で確認しているのに、どうなっている?誰も責任を果たしていない」と疑問を呈した。

「ラグビーのようなやり方が必要だ。VARによる判定があった場合、審判が映像副審にどういう指示をしているか知る必要があるし、観客も何が起きているのか知りたいはずだ。ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長をはじめとする国際サッカー連盟(FIFA)の皆さま、従って私の見解としては、誰もがVARはうまく機能していないと意見が一致している。それが現状で、たくさんの不平が出ている」

 一方、グループBで2位突破が確定し、決勝トーナメントではグループA首位通過のウルグアイと対戦することが決まっているポルトガルのフェルナンド・サントス(Fernando Santos)監督は、ロナウドの問題の場面に関する審判の判定は正しかったとしており、「いや、(レッドカードの)心配はしていなかった。あれは試合ではよくあること。審判は自分の仕事をした。彼はVARで2~3度確認した結果、二つがペナルティーで一つがイエローカードだと考えた。もう一度、映像で確認してから話す必要があるけれど、VARは役割を果たしたと思う」と述べた。(c)AFP