【6月24日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)の裁判所は23日、米首都ワシントンにバチカン外交官として勤務していた、イタリア人のカルロ・アルベルト・カペッラ(Carlo Alberto Capella)神父(51)に対し、児童ポルノ所持の罪で禁錮5年の判決を言い渡した。

 カペッラ神父は前日の裁判で、「個人的な危機」を経験し、自身は外交官として「役立たず」だと感じていたとし、2016年7月からインターネットで児童ポルノを見るようになり、画像の交換などもしていたと認めた。

 バチカン当局によると、カペッラ神父の携帯電話から40を超えるポルノ画像や動画が見つかった。中には大人と未成年の性交場面を描写したものもあったという。

 昨年8月、米国務省はバチカンに、児童ポルノに関する法律に違反している外交官がいると連絡し、カペッラ神父は翌月にバチカンに呼び戻されていた。

 カペッラ神父にはカナダからも、同国オンタリオ州ウィンザー(Windsor)の教会で児童ポルノ画像をダウンロードした疑いがあるとして、逮捕状が出ていた。

 聖職者の性的スキャンダルをめぐっては20日にも、ワシントンのセオドア・マカリック(Theodore McCarrick)枢機卿が、ニューヨーク大司教区の神父だった約50年前に10代の未成年に性的虐待をしていた疑惑が浮上し、解任されたばかり。

 世界的に広がるカトリック教会の性的虐待スキャンダルやバチカンの対応に関する批判を受けてフランシスコ法王(Pope Francis)は2013年、児童への性的虐待や児童ポルノの罪を犯した聖職者に、最大で禁錮12年を科せる新法を導入している。(c)AFP