■対立するエリトリアの駐日大使も事件を非難

 議会の全議席を与党EPRDFおよび与党系議員が占めているエチオピアでこれほど大きな政治集会が行われたのは珍しい。会場にはアビー首相への支持をうたったTシャツを着ている人たちがいた一方、オロモ解放戦線(OLF)といった非合法組織の旗を公然と掲げる人もいた。通常このような行為をすれば逮捕される。

 アビー首相が立ち去った後、群衆がステージにあったエチオピア国旗を取り去り、EPRDFの対抗勢力の間で人気のある古い国旗を掲げ「私たちが欲しい旗はこれだ」とシュプレヒコールを上げた。

 与党EPRDF内部でアビー首相がどの程度支持されているのか定かではないが、アビー首相はこれまで国内の政治勢力のバランスに大きな変化をもたらす行動を起こしてきた。アビー首相の改革を受けて一部の反政府勢力は政権との和解に動いた。

 反政府勢力「ギンボット7(Ginbot 7)」は22日、アビー首相の改革を理由に挙げてエチオピア国内での武力による攻撃を停止すると発表した。ギンボット7の幹部アンダルガチュー・ツェゲ(Andargachew Tsige )氏は今年5月に釈放されていた。

 米国やジブチなどエチオピアの同盟国は今回の事件を非難した。さらにエチオピアと対立しているエリトリアのエスティファノス・アフォワキ(Estifano Afeworki)駐日大使も「エリトリアは、本日アディスアベバの平和のための集会で発生した、暴力を煽ろうとする試みを強く非難する。このようなことはエチオピアの歴史で初めてのことだ」とツイッター(Twitter)に書き込み、驚きをもって受け止められた。(c)AFP/Chris Stein