【6月23日 AFP】サッカーコロンビア代表は2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)が6得点の活躍をみせ、大会ベスト8入りを果たす快進撃をみせたが、ラダメル・ファルカオ・ガルシア(Radamel Falcao Garcia)は大会直前に負傷して欠場を余儀なくされた。

 現在32歳となったファルカオは、今回のロシア大会(2018 World Cup)で輝きを放つチャンスを得たものの、チームがグループH初戦で日本代表に1-2で敗れたことで、ポーランドとセネガルには絶対に負けられないなか、主将としてロス・カフェテロス(Los Cafeteros、コロンビア代表の愛称)を立て直す重圧を背負いきれるかどうかが課題となっている。

 カザニ(Kazan)で行われる24日のポーランド戦で再び敗れるようなことになれば、高い技術に恵まれているホセ・ペケルマン(Jose Pekerman)監督の率いるコロンビアは、絶体絶命のピンチに立たされることになる。ファルカオは「現在は勝つことに集中する状況に置かれている。全力を尽くし、勝利を追求しなければならない。残り2戦では絶対に勝たなければならないから、決勝戦のつもりで戦う。勝つのは相手か自分たちのどちらかだ」と語った。

 マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やチェルシー(Chelsea)でプレーしたイングランド・プレミアリーグで不本意な4シーズンを過ごしたファルカオは、フランス・リーグ1のASモナコ(AS Monaco)でキャリア再出発を果たし、スペイン1部リーグのアトレティコ・マドリード(Atletico Madrid)に所属していた2012年にヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2011-12)とスペイン・スーパーカップ(Spanish Super Cup 2012)でタイトルを獲得した当時のような攻撃力を発揮している。

 2016-17シーズンにファルカオはモナコで公式戦30得点以上を稼ぐ活躍をみせると、チームは同年の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)で4強入りを果たし、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を抑えてのリーグ優勝を成し遂げた。

 ところが、今大会でコロンビアが不吉なスタートを切ったことによって、ファルカオはブラジル大会を欠場したリベンジを果たすことよりもはるかに高い壁に直面している。19日の日本戦で退場者を出したコロンビアは、ファルカオを筆頭に全力で戦ったものの、日本は後半28分に大迫勇也(Yuya Osako)が決勝点をもたらし、南米のチームに初勝利を飾ったことに加え、4年前に1-4でコロンビアに敗れた雪辱を果たした。

 ロドリゲスの出場が危ぶまれているなか、ぺケルマン監督はファルカオの実力を最大限に生かし、ポーランドを倒すための戦術を練っている。対するポーランドは、同じく大会初戦でセネガルに1-2で敗れており、コロンビアを連敗に追いやるべく仕掛けてくるとみられている。

 コロンビア代表として出場した74試合で同国歴代1位の29得点を記録しているファルカオは、警戒すべきポーランドの選手として、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)でプレーするロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)を「いつでも試合の決着をつけられるストライカー」と称賛。さらに、モナコのチームメートでセンターバックのカミル・グリク(Kamil Glik)についても高く評価している。

 グリクが左肩の故障から復帰を果たし、セネガル戦で不安定なプレーを露呈した守備を強化するとみられるなか、ポーランドのGKバルトシュ・ビャウコフスキ(Bartosz Bialkowski)は、「この試合の意味は十分に承知しているけれど、自分たちは前向きにとらえている。確実にいえることは、24日の試合では絶対に気持ちを切らさないということだ」とコメントした。

 コロンビアのファンに「虎(El Tigre)」の愛称で親しまれるファルカオも、「日本戦のことは、すでに頭から消し去った。われわれが今でもW杯で戦っているという単純な事実が、残りの2試合に向けて自分たちの士気を高めている」と話した。(c)AFP/Justin DAVIS