【6月23日 AFP】ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)で行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のクロアチア戦に敗れたアルゼンチンのファンが、チームへの批判を本格化させた。

 コメディーのような最初の失点もありクロアチアに0-3でたたきのめされた二度の世界王者は、屈辱的な早期敗退の危機にひんしており、ファンは涙に暮れた。試合から一夜明けた22日も多くのファンは起きてしまった出来事にぼうぜんとしたしたままだった。

 アルゼンチン・ロサリオ(Rosario)からロシアに観戦のため訪れた34歳の弁護士セバスチャン(Sebastian)さんは、「私たちは眠ることもしゃべることもできず、何も手につきませんでした」と話した。「昨夜のようなことはかつて目にしたこともなかった」

 セバスチャンさんはスペイン語のスラングを用いて、チームを「玉なし」と切り捨てた。

 4万ドル(約400万円)もの大金を費やして息子と孫をロシアに連れてきたブエノスアイレス(Buenos Aires)出身のスシ(Susi)さんは、「アルゼンチンが負ければ社会問題になる」と話し、最悪の結果が国内で経済問題に取り組むマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領に影響を与えかねないと話した。

 アルゼンチンの敗戦は、間違いなく今大会これまでで最もショッキングな結果だ。

 スーパースターのリオネル・メッシ(Lionel Messi)をキャプテンに据えて優勝候補の一角に挙げられていたアルゼンチンは、当初グループリーグでの苦戦は予想されておらず、チーム自身もここまでひどい内容のプレーは予期できていなかったはずだ。

 今回の結果は、ヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏の「トータルフットボール」を標榜するオランダに0-4で敗れた1974年の西ドイツ大会以来、アルゼンチンにとってW杯で最悪の敗戦となった。(c)AFP/David HARDING