【6月22日 AFP】シリア南部のダルアー(Daraa)県で、政権側による反体制派支配地域への空爆などが強まったことを受け、3日間で多数の民間人が避難する事態となっている。英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が21日、明らかにした。

 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は、交渉または、軍事作戦のいずれかによる南部の反体制派支配地域の奪還を目指し、ここ数週間にわたって南部地域に軍を集結させてきた。

 これまで、ヨルダンと国境を接し、イスラエル占領地のゴラン高原(Golan Heights)とも境界を接する南部の反体制派支配地域をめぐる戦闘を回避するための協定などは、一切結ばれていない。

 シリア人権監視団は「政権側がダルアー県東部に対する空爆や砲撃を強めたことを受け、3日間で民間人1万2000人以上が自宅などからの避難を余儀なくされた」と述べた。

 反体制派はダルアー県の3分の2を支配する一方、政権側が掌握している地域はわずかにすぎない。また同県の一部は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握している。(c)AFP/Alice Hackman